セックスレスについて

セックスレスを悩むイメージ

自分を認識する手段には、「言葉」と「感覚」がある。
言葉は脳が解釈する世界に対して、感覚は互換を通して感じる世界である。

この二つが良き状態の時、人はリラックスし何事にも前向きになれる。

今日は前向きになれることの一つとして「セックス」を取り上げる。

yomiDr.のお便りから紐解く

2015年、今から2年ほど前に「夫婦生活を拒否され『心折れた』男性、子猫に救われる」という記事が載せられた。
出産を機に妻から20年以上拒まれ、うつになって休職中の男性がネコを飼ったお話だ。
男性は事態を打開したいと妻にいろいろと質問したが、

「至らないのはお互い様ですから理由はないです。」「諸々の問題が重なった結果であり、これというひとつの原因があったからではないと思います。」
(略)
長男が学校を辞めたり、次男が親の財布からお金を抜いたりした時期だったため、「子供のことで精神的にいっぱいいっぱいなので、この話はこれで終わりにしてほしい」と言われました。

この話一つでセックスレスの理由を読み解けない夫の鈍感さが、セックスレスの原因である可能性は高い。

セックスとは言うまでもなく子供を作るための行為。つまり子供を作りたいと思うほど相手に信頼を寄せていなければ、成り立たない。
今だけでも、①子供の不登校②子供の素行に 妻一人で悩んでいる。
それを分かち合うはずの相手がいない。
一人親のように子供のことを背負って、そのうえ夫の要望までも背負うなんてできない。彼女は肉体的にも精神的にも疲れ切っている。

気持ちは前向きどころか、崩壊寸前。きっと20年前から、仕事以外の全てを妻に覆い被せてきたゆえのセックスレスだったのだろう。

男性は肉体的接触が安らぎをもたらす

男性がなぜそこまでセックスに拘るか、といえば、単に性欲の問題だけでなく、受け入れてくれてる感を得たいからだ。
外に出れば敵ばかりという状況で、家に戻ったら安らぎたいと思うのは当然。だから心身ともに安らげる、受け入れられるセックスを求める。

しかし女性もまた外に出れば敵ばかり、かといって家にいても終わらぬ家事、近所づきあいの煩わしさ、思い通りに育たぬ子供へいらだち、と多くを抱え込む。

男性と同じく、いや、女性の方がいっそう過酷な条件に晒されている。
その状態で女性だけに安らぎを提供しろ、というのは応えられぬオーダー。

男性と同じく女性も心安らぐ場所が必要なのだ。

家庭のことをやらないとセックスレスになる

多くのことを背負いすぎた女性はリラックスどころか、常に追い詰められている。
そんな状態で、避妊可能だと説明されても元々妊娠目的であるセックスなど、意識にも登らない。
むしろ、逼迫した状態で妊娠行為をすることはリスクと捉えて、忌み嫌う。

だからもし男性が妻とセックスしたいと願うなら、妻がセックスしても大丈夫と思えるほど、家のことを担い、相談に乗り、妻を労ることだ。こうやって自分こそが、夫に相応しい、父に相応しい、頼りがいのある人物だとアピールすることで、女性は安心する。

家族サービスなどという「やってやってる感」は要らない。ごく自然に二人の負荷バランスが平等、もしくは夫が多く負うようにしてこそ、互いが安心して肌を重ねられる。

セックスが夫婦にとって大切な理由

最初に書いた自分を認識する手段の内、特に肌感覚は、我々が生まれた直後から手にしている原始的な方法だ。
言葉が分からずとも、優しく包まれる感じが、得も言われぬ安心感をもたらす。

これは言葉を通して得る愛情とはまた別の、無意識の層での愛情だと思う。

言葉を通じて理解する意識層と肌を通じて理解する無意識層の両方が重なるとき、それは確固たる信頼へと昇華する。
その信頼が今後押し寄せるであろういかなる困難にも立ち向かおう、乗り越えようという覚悟と強さに繋がっていく。

つまり二人をつなぎ止めるのは、セックス行為そのものではなく、身も心も相手にゆだねられる信頼の深さなのである。

動物は緩衝材になりうる

件の男性の場合、ネコを飼い始めることで気持ちが癒やされたようだ。
動物なら、子育てや近所づきあいという面倒ごとは引き受けてくれない代わりに、精神的にいっぱいいっぱいになることもない。

だから男性の気まぐれな安らぎの求めに応じられる。

動物はそういった意味で、思いのまま触れられる点においてセックスレスで空いた隙間を埋めるのに一役かってくれている。

死ぬまで人は「自分は大切にされたい」欲から逃げられない

男性にとって異性が自分を大切にしてくれていることを確かめる一番の方法は、セックスをさせてくれること。
やんちゃで、自分遊びが好きで、身勝手に振る舞うオトコノコである自分を、まるごと受け止めてくれる人の存在が欠かせない。

しかし実際夫婦のうちの相当数がセックスレスに陥っており、それが改善するきざしもない。それどころか益々増えているといっていいだろう。

これの意味するところは、夫婦の背負うものの不均衡さの拡大。ようするに妻ばかりが大変という状態が加速していることを示す。
仕事に、家事に、付き合いに、介護に、子育てに、東奔西走する女性達。孤軍奮闘でキャパオーバーだ。

結婚したら悲しみは1/2に、喜びは2倍にどころじゃない。辛さが4倍くらいになってる。
つまり男性は自らが「大切にされたい、セックスを受け入れて欲しい」と願うなら、妻の辛さの半分を背負うこと。

自分ばかりが、「セックスができなくてツラい」などといっていては、一生涯セックスなど出来ないだろう。

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