
お笑い芸人のIさんが、当て逃げをしたと報じられました。
このIさん、逃げた理由は「事故を起こしたことが世間に知られたら大変なことになると思った。」というのです。
ぶつけられた相手は全治2週間の怪我を負ったのに?!
このIさんの客観的に見る力、一体どの程度なのかを見ていきましょう。
人によって違う!!見えている範囲
まず、今回の事件に影響を受けそうな人をざっと挙げてみます。
事故を起こした時、Iさんの頭に浮かんだのは、下の図に示す点線の範囲でした。
たくさんの矢印が自分に向いています。その矢印の指している先、つまり自分だけを見ていたのでした。
一般的に事故になった場合、成人なら最低でも次のような範囲を見ることを求められます。
ぶつかったということは、両方が衝撃を受けたということ。影響ゼロといことはありません。速やかに双方の怪我の有無を確認して、安全確保に努めるよう習ったはずです。
とくに自分が加害者だった場合、自らが主導となって相手の状況確認と救助活動に当たらなければならない。
にも関わらず、逃走したIさん。
一体どれほど、周りが見えていないのでしょう。
もっと周りを良く見渡せる人は、以下の範囲まで見通せるかもしれません。
ここまで見えてたら、逃げるどころか、被害者の救済以外に関係者へ影響を考え、即出来ることから始めるでしょう。
そして、とても気づかいの出来る人なら、もっと見る範囲を広げて、多くの人のことを考えられるかもしれません。
ここまでいろんな人のことを考えられたら、立派な人格者です。
不幸にして事故を起こしてしまったとしても、よほど甚大な被害でも無い限り、タレント生命を断たれるということはありません。
客観的に見る力とは何か?
みなさん、お気づきのように点線の範囲は1stから4thにかけて拡がっています。
この範囲が狭ければ主観的、広ければ客観的ということになります。
客観的に【見る】ということは、意思です。
自然と客観的に見えるようにはなりません。
客観的に意思を持って【見る】力を伸ばしていくから、範囲を拡げることができるのです。
人の器が大きい、小さいも、まさにこの範囲の広さを指しています。
見る範囲を拡げられると、信頼される
もし、あなたがIさんと遠い親せき関係だったとして、事故の一月後にIさんから電話が掛かってきたとします。
「ボクの不注意で起こしてしまった事故で、ほんまに迷惑を掛けてしまいました。ボクのせいで、周りからいろいろと言われたんやないですか。申し訳ありませんでした。」
これを聞いた瞬間、
たしかに迷惑掛けられたけど、反省しているみたいやし、水に流したろ。むしろ、こうやってちゃんと謝ってくれたことで、溜飲が下がった。コイツちゃんとしたヤツやってんなぁ。
と失った信頼を取り戻せるのです。
ピンチをチャンスに変える力
どんなに運に恵まれていても、避けられない不幸がある。
その不幸を不幸のまま放置するか、不幸を不幸じゃなくするかは、客観的に見る力に掛かっています。
不幸をバネに見る範囲を拡げることができれば、後々振り返ったときに、あの不幸があったからこそ、今の自分があると感謝さえできるのです。
Iさんに限らず、不幸の渦中にいる人は、自分に見えてる範囲がどこまでなのか?いちど点検してみるといいでしょう。